(この記事は2018年11月に更新しています。)
不動産関係の資格といえば、「宅建士」はメジャーですが、他にも「競売不動産取引主任者」という資格があります。
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実はこの資格は、2018年で8回目の試験を迎えます。
そして、今現在、全国で2,600名以上がこの資格を持ち活躍しているそうです。
とは言っても、多いのか?少ないのか?
数年前のデータになりますが、宅建士の資格を持ち活躍しているのは270,000人以上。
宅建士と比較したら、まだまだな民間資格ではあります。
とはいうものの、これからどんどん注目を集めそうな「競売不動産取扱主任者」です。
試験詳細や難易度など、詳しくご紹介していきます。
1.競売不動産取扱主任者とは?
そもそも、どんな仕事をする人なのかというと、一言でいうならば「不動産競売のプロ」
不動産資格の中でも、代表的な資格とも言える「宅建士」はというと、実は”不動産のプロ”ではあっても、競売に関して知識がないことも多く、その部分を補ってくれるのが、この「競売不動産取引主任者」とも言えます。
では、どんな仕事をするのかというと、次のような内容になっています。
1-1.仕事内容とは?
競売不動産の購入者へアドバイスやサポートをすることが主な業務です。
競売物件は、一般的に不動産会社が取り扱うような中古物件とは、違った部分も多くあります。
まずは、適用される法律が違います。
- 一般流通物件(不動産会社が扱う中古物件など)=宅建業法
- 裁判所競売物件=民事執行法
だからこそ、専門の知識を持った有資格者が必要になるんです。
例えば、こんなアドバイスをし、競売物件の購入を検討している方のサポートを行います。
・競売物件の手続きはどうするのか?
・内見ができない”裁判所競売物件”をプロはどう見るのか?
などの、入札・落札・明渡に至るまで、一般消費者のアドバイザーとして活躍していく仕事です。
専門的な資格を持つ有資格者だからこそ、消費者から絶大な人気を得ているようです。
他にもこんな背景があります。
■2020年の東京オリンピックを前に日本の投資家だけでなく海外の投資家も日本の競売市場に注目しています。
■一般流通物件が高騰している今、少しでも安く不動産を入手したいという一般消費者が「競売」も選択肢のひとつとして捉えられており、競売市場が最も熱くなっております。
不動産会社の中でも、競売物件を購入し、リフォームなどを行い一般の中古物件として販売しているところもあるため、就職や転職にも役立つ資格と言えそうです。
2.競売不動産取扱主任者の資格
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これからどんどん需要が増えそうな資格ですが、まずは試験に合格する必要があります。
受験資格はないため、誰でも受験することができます。
試験日時 | 12月上旬
※2018年12月9日(日)14:00~16:00 |
申込み期間 | 8月上旬~10月末頃まで
※2018年8月1(水)~2018年10月31(水) |
試験会場 | 全国11会場 (札幌・仙台・新潟・金沢・埼玉・東京・名古屋・大阪・広島・高松・那覇) |
受験料 | 9,500円(税込) |
合格発表 | 1月中旬
※2019年1月16日(水) |
※2018年の試験日・合格発表日になります。また、2018年現在の内容です。
詳細は協会HPで確認できます。
2-1.試験内容は?
- 不動産競売手続きに関する基礎知識
- 不動産競売の法理論と実務
- 不動産競売を理解する前提となる法律知識
- 競売不動産の移転、取得等に関する税金等
主に、宅建業法が適用されない競売不動産の特徴をより深く理解することが、学習のポイントになっているようです。
宅建の学習をして方であれば、20~25時間程度の勉強で合格できる内容になっているそうです。
2-2.試験形式は?
50問の四肢択一です。
過去に、こんな問題が出題されています。
【問1】競売事件に関する以下の記述の( )内には、①担保不動産競売事件、②強制競売事件、③形式競売事件、のいずれかの語句が入るが、①担保不動産競売事件が入るものとして正しいものはどれか。
執行裁判所が扱う競売事件には、主に( a )と( b )の2種類があり、件数が
多いのは、( c )です。また、極まれに( d )があります。
( e )は、事件番号の符号が(ケ)と表示されます。( f )は、事件番号の符号
が(ヌ)と表示されます。( g )は、実体法上の一般財産に対する強制執行手続であり、
( h )は、実体法上の担保権の実行手続です。いずれも、債務者が債務を返済するこ
とができなくなったときに、不動産を民事執行法の規定により売却して、それによって得
た代金を債権者に配当して債務の返済に充てる強制執行手続ですが、この手続の流れに
関しては、民事執行法上、( i )に関する規定が( j )に準用される形がとられて
おり、手続の同一化が図られています。1.a c e h j
2.b f g i
3.a c e g i
4.a c f g j
3.競売不動産取扱主任者の難易度は?
2017年度の合格率は40.4%、合格点は32点です。
合格ラインは7割(35点)前後が目安になります。
宅建試験より、少し易しい程度の試験になるようです。
4.合格後は?
無事試験に合格すると、合格証書が発行されます。
ただ、この合格証書をもって「競売不動産取扱主任者」と名乗ることができません。
そのためには、登録講習の受講が必要になります。
受講後に登録の手続きになりますが、実はここには登録要件があります。
それは、宅建士であるか、宅建試験の合格者である必要があります。
受験料の他に、次のような費用がかかり、有効期限もあります。
登録講習費用 (登録講習を受ける際に必要) |
16,200円(税込) |
主任者証交付費用 | 16,200円(税込) |
有効期限 | 5年間 |
更新講習費用 | 18,000円(税込) |
5.まとめ
不動産業務だけではなく、不動産投資にも役立つ知識を身に付けることができる「競売不動産取扱主任者」
将来的に公的な資格として認められるように活動している民間資格です。
ただ、試験合格後には「登録」といった手続きが必要になり、登録できるのは宅建士所持者、または宅建士試験合格者といった条件があります。
宅建士の資格を持ち、不動産業者で活躍している方にとっては、プラスの資格になることは間違いありません!
宅建勉強にプラス20~25時間程の試験勉強が目安です。
宅建と並行して勉強し受験する方も多いようです。

「競売不動産取引主任者」だけではなく、他にも気になる民間資格をまとめています。
あなたにとって、役に立った情報であったらうれしいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました^^
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