部屋探しに来た方から、どんな物件を探しているかの聞き取りをして、条件に合う物件を紹介していくのが、不動産屋さんの一般的な流れです。
「そんなのいいから、とにかく物件見せて」と思う方もいるかもしれませんが、とにかく希望する条件を思いつく限り上げていくのも、部屋探しの成功例だと思います。
「新しくてキレイで安くて、駅から近くて、設備も充実してる広い部屋」はまずないですが、条件のやり取りをしているうちに、自分自身も優先順位が見えてきます^^
そんな中で条件に上げる方も多かったのが、「都市ガス」の物件です。
なんで?と聞くと、決まって「安いから」と答える方が9割以上でした。
プロパンガスに比べると、料金が安いのは、ほとんどの方が知っていることですが、他にどんな違いがあるか知っていますか?
今回は、都市ガスとプロパンガスについてまとめました。
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目次
1.都市ガスとプロパンガスって何が違うの?
どのくらい違いを知っていますか?
1-1.利用料金
一番は料金の違いです。
都市ガスは公共料金なので、自由に料金設定ができるプロパンガスと比べ、安くなります。
都市ガスに比べプロパンガスの料金は、約1.5倍くらい高くなります。
そもそもの基本料金からそのくらいの違いがあり、プラス使用料金がかかるので、差が大きく出てくるわけです。
供給会社によっては、もっとそれ以上違うところもあります。
1-2.熱量の違い
1㎡あたりの熱量を見ても、その差は約2倍でプロパンガスの方が高くなっています。
ただ、この違いが料理する時の火力に関係するわけではないので、賃貸の部屋に与える影響の差はほとんどありません。
1-3.供給方法
都市ガスは、地中に埋まっているパイプによって供給されています。
それに対してプロパンガスは、各部屋ごとに液体ガスの入ったボンベを設置して、それを交換しながら供給されます。
ボンベと積んだトラックを、自分の住んでいるアパートやマンションで見たことがある方も多いはずです。
その供給方法の違いは、もしもの時の復旧にも影響してきます。
地中に埋められているパイプの復旧作業よりも、各家庭のプロパンガスの安全点検の方がずっと早く、大地震の時にどんなライフラインよりも先に復旧できたそうです。
他にも、ガスの重さや主成分などの違いがありますが、借りる部屋に影響が出る違いではありませんので、違いはこの辺で^^
2.どちらを使うか入居時に選べる?
残念ながら、借りる方の希望で選ぶことはできません。
賃貸物件を建築中に、プロパンガス会社が大家さんに、「給湯器を全部無料で付けるので、うちのガス会社を供給先に選んでください」なんて新規供給先を獲得しているなんてこともあるんです。
都市ガスかプロパンガスかを選べないだけではなく、供給会社も選べないのが一般的です。
あなたがガス供給会社勤務でも、条件は同じですね…
他にも、都市ガスの普及率も大きく関わってきます。
2-1.都市ガスの全国普及率って?
都市ガスは、どこにでも供給されているわけではなく、2013年と数年前のデータによると、全国普及率は約50%ほどです。
東京や大阪、京都では100%以上都市ガス供給区間内に普及しているのに対して、一番低いところでは、沖縄の35.7%と平均を下回っているのが31都道府県もあるんです。
なので、まだまだプロパンガスの物件が多い地域がたくさんあります。
まだまだ普及率が低い地域で、「絶対都市ガス!」の条件で部屋探しをすると、物件が限られてしまうことがあるので、どうしても譲れない条件ではない場合は、「できれば都市ガス」くらいで、考えた方が良い物件に出会えるはずです^^
3.入居前の注意点
3-1.ガスコンロの準備
部屋が決まれば、それに合わせてガスコンロの準備が必要になってきますよね。
家電量販店に行くとわかりますが、そのガスコンロは「都市ガス用」と「プロパンガス用」で違います。
新しく購入する場合は、専用のコンロを選ぶだけですが、もし頂き物を使用する場合には十分注意してください。
違ったものを使用すると、火災や一酸化中毒の原因となり、取り返しのつかなない事態になってしまってからでは大変です!
他にも、そんな一大事ではありませんが、注意点があります。
3-2.開栓手続き
電気や水道は、ネットで使用開始の連絡をしたり、電話で連絡をし指示に従い元栓を開ければ、すぐに使える場合がほとんどですが、ガスはそうはいきません。
うっかり手続きミスで、その日お湯が使えなかったなんてことにならないように、入居前に連絡しておく必要があります。
不動産屋さんでは、事前に連絡してくれる親切なところもありますが、
「これがガス会社の連絡先でーす。」の説明で終了といったところもあります。
ガスを使い始める時は、都市ガス・プロパンガスに関わらず、使用開始の連絡をして、部屋に来てもらって開栓作業をしてもらう必要があります。
建物の外と室内で点検する場合が一般的なので、ほとんどの場合に立会いが必要になります。
引越しシーズンだと、ガス会社もこの作業で忙しいので、早めに連絡して希望日時を指定するのがオススメです。
その立会いの時に、ガスコンロが用意されていれば、繋いで点検してくれることが多いので、使う予定ならば早めに準備しているのがオススメです^^
4.まとめ
部屋探しの条件にもなる「都市ガス」と「プロパンガス」
都市ガスを希望する方のほとんどが、その料金の差で条件に上げていると思います。
料金が高くなる分、震災などの場合の復旧が早いのがプロパンガスです。
自分の重視する点で、どちらかを選べれば一番いいのですが、残念ながら借りる側が選択することはできません。
そして、まだまだ全国的に都市ガスが普及していないのも、プロパンガスの賃貸物件が多い理由のひとつです。
地域によっては、条件に「都市ガス」を上げてしまうと、物件の選択幅が狭くなってしまい、良い物件に出会えなくなってしまうことがあるので、絶対条件ではない場合は、こだわらず部屋探しをするのがオススメです。
そして、部屋が決まって入居となった時は、都市ガス・プロパンガスによってガスコンロが違うので、注意して準備してくださいね。
ガスは入居してすぐ使えるわけではなく、ガス会社の立会開栓が必要になります。
曜日や時間によっては、その日お湯が使えないなんてことにもなってしまうので、忘れずに早めに連絡しておくのがオススメです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました^^