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(2021.9更新)
賃貸の部屋の床を「傷つけてしまった…」「へこませてしまった…」
こんな場合に不安になるのが退去時の費用ですよね。
ここでは退去費用に関わるフローリングの借主負担についてまとめています。
フローリングだけではなく、部屋全体に関わる修繕には目安となるガイドラインがあります。
簡単に原状回復ガイドラインについて説明します。
1.原状回復ガイドラインとは?
「原状回復ガイドライン」とは国土交通省が定めたもの。
法的な効力はありませんが、契約や何かトラブルが起きた際に参考にする”道しるべ”的存在のものです。
不動産会社はこのガイドラインを参考にしているところも多く、契約書などに添付されてる場合もあります。
内容も細かく専門的な用語もありなかなか読む気にはならないと思いましが、知っていて決して損はない内容です。
原状回復ガイドラインはこちらから確認できます。
フローリングについてガイドラインでは、長期間の使用に耐えられるものとされ、「何年入居していたから、その分フローリングの価値が減り、減った分に対しての修繕費用を負担してもらいます」というような考え方が合わないとしています。
そして部分的に壊してしまったなどという場合は、その箇所を借りた人の負担で直すのが妥当といった内容。
経過年数を考慮せず、部分補修費用について毀損等を発生させた賃借人の負担と
するのが妥当であると考えられる。(なお、フローリング全体にわたっての毀損によりフローリング全体を張り替えた場合は、経過年数を考慮するのが適当である。)
2.費用を負担する必要があるのは?
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基本的には一般的といわれるような部屋の使い方をし、日常生活で生じた損傷等は自己負担で直す必要はありません。
借主の負担で直さなければいけなくなるのは、主に次のような場合です。
- 引越しの際にできてしまった傷
- 放置してしまったためにできた冷蔵庫下のサビ跡
- 食べこぼしを処理不足や手入れ不足によりできたシミ・カビ
- ペットによる傷や損傷
3.費用を負担する必要がないのは?
賃借人に原状回復義務が発生し、賃借人が負担する費用の検討が必要になるが、この場合に修繕等の費用の全額を賃借人が当然に負担することにはならないと考えられる。
契約書等に書かれている「原状に戻して明け渡すもの」といったもの。借主が傷つけた・破損させたなどは借主が費用を負担するとされていますが、
その全額を負担させるのはおかしいでしょうということです。
フローリングに限ったことではなく、他の設備に共通しています。理由は次の通りです。
経年変化・通常損耗は必ず前提になっており、経年変化・通常 損耗の分は、賃借人は賃料として支払ってきているところで、賃借人が明け渡し時に負担すべき費 用にならないはずである
要するに、「通常に普通の生活を送る上での変化や損耗については、ちゃんと家賃を支払っているでしょ?」ということ。
それを退去時に全部請求されたのでは、到底納得いきません。
■家具を設置したことでできたへこみや、設置跡
■窓際のフローリングの変色
など、誰が生活していても自然にできてしまう損傷は、貸主の負担となります。
4.フローリングの耐用年数とは?
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不動産には、「耐用年数」というものがあります。
簡単には年数が経過すればするほど”下がる価値”を、金額で換算し、0になるまで(0に等しくなるまで)の期間のことです。
フローリングの耐用年数は、6年で0円に等しくなるクロスや障子などとは違い、建物の構造によって期間が定められています。
■木造:22年
■軽量鉄骨造:19年
■鉄骨造(S造):34年
■鉄筋コンクリート(RC造)・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造):47年

フローリングの場合は、基本的に経過年数は考慮しないと定められているため、上記のような「借主の負担」とされる損傷以外は、費用を負担する必要はありません。
ただし、損傷が全体的にひどく張替えが必要となった場合は耐用年数で借主と大家さんの負担を分けましょうと定めています。
借主の負担になるのは、故意・過失・不注意などによってできた損傷。
しかも、損傷した箇所のみ。
これが一般的なフローリングの退去費用になります。
ただし、全体的に損傷が激しく、全面を直す必要がある場合は、フローリングの耐用年数(=建物の耐用年数)によって、借主と貸主で負担するとされています。
つまり、木造建てのアパートのフローリングは22年で1円の価値となる表を想定し、負担割合を計算するということです。
4.まとめ
フローリングに限らず、退去時はトラブルが多くなります。
まずは、借りているあなたが知識を持つことが何より大切です。
「これが不当な請求ではないのか?」という疑問を持つことができること、「この場合は、ガイドラインではこう定められている」といった内容を知ることで、
話合いがスムーズに進んだり、請求されずに済むこともあるはずです。
何の知識もなければ、支払う必要のない費用まで支払うことになってしまいます。

民間の賃貸物件の契約は、不当で常識を超える内容ではない限り「契約自由」とされています。
なので、契約書に記載があり説明を受けて契約を結んだ場合、支払わなくてはいけない場合があるかもしれません。
話合いでも解決できず、納得できない場合は専門機関に相談することをオススメします。

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