退去トラブル【畳編】表替え?張替え?借主の負担は?

(この記事は2018年11月に更新しています)

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退去の際に、「畳の分費用負担をしてもらいます」なんて言われてビックリしていませんか?

「どのくらいの退去費用がかかるの?」

「畳の表替え?裏返し?って?」

「畳の交換って、かなりの費用がかかりそう」

そんな不安や疑問を持つ場合がほとんど。

実は、「表替え」「裏返し」「交換」は、言い方の違いなどではありません。

 

それぞれは、修繕の仕方も違えば、それにかかる費用が違います。

 

なので、○○さんと「畳の退去費用が違う」のはよくあることです。

その違いと、かかる費用について解説していきます。

退去トラブル【フローリング編】借主が負担すること・負担する必要のないこと
(この記事は2018年11月に更新しています。) 賃貸の部屋の床を 「傷をつけてしまった・・・」 「へこませてしまった・・・」
2018-04-26 00:17

 

1.畳の構造どこまで知ってますか?

畳には、実は見た目からはわからない部分も含め、3構造からできています。

ひとつは、見てわかる表側
畳表(たたみおもて)があります。

わかりやすくは「い草」の部分になります。

 

もうひとつも、見てわかる部分にある
畳縁(たたみべり)です。

畳の側面に縫い付けてある生地の部分です。

 

そして、最後は見た目にはわからない
畳床(たたみどこ)です。

簡単には、畳の土台になっている部分で、素材によって素材や感触が違ってくるようです。

 

下の画像の黄色の線で囲まれた部分が畳床です。

引用:http://blog.naver.com/

 

なぜ、構造について解説したかというと、このどこの部分を直すかにより、「言い回し」や「費用」が違ってくるからです。

2.畳の裏返しとは?

畳の退去費用の中では一番負担の少ないものになります。

今まで使用していた畳の「畳表」の部分を、一度取り外し、ひっくり返して(裏返して)戻す方法です。

 

何も新しくするわけではありませんが、自分でできることではありません。

なので、専門の方に依頼する必要があります。

いわゆる”工賃”といったところでしょうか。

 

2-1.費用は?

依頼する業者や職人、地域によっても違いはありますが、一般的な費用

畳の裏返し費用:畳1枚3,000~5,000円程度

1枚の費用なので、例えば6帖であれば18,000~30,000円程度の「畳の裏返し費用」が請求されます。

 

2-2裏返し費用は全額負担?

まず確認すべきことは、契約書です。

「退去の際は、畳の裏返しを行うもととし、それにかかる費用は全額借主の負担とする」

などの記載はありませんか?

記載もあり、しっかり説明も受けたのであれば全額請求されることが多いでしょう。

ただし、「大家さんの負担」とされる場合も多くなってきています。
詳しくは後ほど解説していきます。

 

3.畳の表替えとは?

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畳表を新しいものと取り替えることです。

基本的に、畳縁と畳床はそのままで、畳表だけを交換します。

 

3-1.費用は?

依頼する業者や職人、地域によっても違いはあります。
その他にも、い草の種類によっても違ってくるようです。

ただ、賃貸の畳となれば一番安いものを使っている場合が多いでしょう。

畳の表替え費用:畳1枚5,000~7,000円程度

1枚の費用なので、6帖であれば30,000~42,000円程度の「畳の表替え費用」が請求されます。

 

3-2.表替え費用は全額負担?

裏返し同様、まずは契約書を確認してください。

「退去の際は、畳の表替えを行うもととし、それにかかる費用は全額借主の負担とする」

と記載されていませんか?

記載もされていて、説明も受けたのであれば全額請求される可能性があります。

 

中には、大家さんも管理会社も、裏側が使える畳かどうか把握していない場合も多いので、表替えが必要となっても裏返し分だけ負担してもらうといった内容もあります。

反対に、裏返しで済むのに、表替えで統一しているようなところもあります。

 

4.畳の交換とは?(畳新調)

これは、畳表も畳縁も畳床も、ぜんぶ新しいものと取り替えることです。

 

4-1.費用は?

一式交換となれば、費用もそれなりにかかります。

裏返しや表替え同様に、業者や職人、地域や畳の種類によってその金額は違ってきます。

 

畳の交換(新調)費用:10,000~25,000円程度

 

4-2.畳の交換費用は全額負担?

まずは契約書を確認する必要がありますが、全額負担をしなければいけない可能性があるのは、次のような畳の場合です。

  • 飲み物や食べ物をこぼしてしまったことによる染み・カビなど
    ※こぼしてしまうこと自体は問題なく、その後の処理を怠ったことでできてしまったような場合です。
  • 不注意によってできてしまった畳の色落ちや、傷、へこみなど
  • 落書き等の故意による毀損

 

畳交換の費用全額請求されるのは、あなたに落ち度があり畳を汚してしまった・傷つけてしまった場合です。

 

ただし、その1枚だけが正当な請求です。

というのは、その1枚を畳替えで新しくしたとしたら、他の畳と違いが目立ちますよね?

そういった理由で、他の畳の畳替え費用を請求されたのであれば大問題です!

 

5.知っておきたい退去費用のこと

畳に限らず、退去の際にかかる費用は大家さんや管理会社、関わる不動産会社によって、本当に様々です。

なので、あなたにも知っていてほしいのが「国土交通省の原状回復ガイドライン」の存在です。

 

基準にしている不動産会社も多く、このガイドラインをもとに、敷金の精算や退去費用の計算をしているのではないでしょうか。

「国土交通省 原状回復ガイドライン」こちらから確認できます

 

5-1.ガイドラインによる畳の費用負担

襖紙や障子紙、畳表といったものは、消耗品としての性格が強く、毀損の軽重にかかわら
ず価値の減少が大きいため、減価償却資産の考え方を取り入れることにはなじまないことから、経
過年数を考慮せず、張替え等の費用について毀損等を発生させた賃借人の負担とするのが妥当であ
ると考えられる。(減価償却資産のうち、使用可能期間が 1 年未満のもの又は取得価額が 10 万円未
満のものなどは「消耗品」とし、減価償却ではなく必要経費として処理することができるとされて
いる。)

引用:www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/honbun2.pdf

基本的に借りたあなたに原状回復義務あるのは、毀損部分の補修のみです。

 

そして、どういったことが「毀損」にあたるかというと

■カーペットに飲み物等をこぼしたことに よるシミ、カビ (考え方)飲み物等をこぼすこと自体は通 常の生活の範囲と考えられる が、その後の手入れ不足等で 生じたシミ・カビの除去は賃借人の負担により実施するのが 妥当と考えられる。

■引越作業で生じたひっかきキズ (考え方)賃借人の善管注意義務 違反または過失に該当 する場合が多いと考えられる。

■畳やフローリングの色落ち(賃借 人の不注意で雨が吹き込んだこ となどによるもの) (考え方)賃借人の善管注意義務 違反に該当する場合が 多いと考えられる。

■落書き等の故意による毀損

 

畳は消耗品扱いになるため、何年使用したから、残りの(耐用年数までの)価値はいくらといった考えは考慮されないと定めています。

さらには、大家さんが負担すべきものとして、こんなことも定められています。

畳の裏返し、表替え(特に破損等していないが、次の入居者確保のために行うもの)

(考え方)入居者入れ替わりによる物件の維持管理上の問題であり、賃貸人の負担とすることが妥当と考えられる

 

畳表と違って、畳床には減価償却資産としての考え方が使われています。

減価償却とは、わかりやすくは「何年使ったから残りの価値はいくら」とするものです。

その期間(耐用年数)は6年とされていて、6年で畳床の価値が1円になるといったものです。

 

ちょっと見にくいですが、これがその負担割合の表です。

 

左側の線が畳床が対象になっている耐用年数6年のもの。

 

例えば、1年の入居で退去した場合、この畳床の補修費用の負担は80%ということになります。
同じように見ていくと、3年では50%ほど、5年では20%ほどと、長く住めば住むほど、退去の際の費用負担が減っているというものです。

 

5-2.ガイドラインの位置づけ

このガイドラインは、契約を結ぶ際に参考にするものといった位置づけで、すでに契約している場合は、その契約書が有効とされています。

 

契約後の場合、あいまいな内容があれば、話し合いの参考にしてもらうものとされています。

 

なので、法的な効力はなく、基本的に民間の賃貸物件における契約は、原則的に契約自由です。

 

あまりにも高額な退去費用を請求され、ガイドラインをもとに話合いをしても応じてくれないような場合は、専門の機関に相談することをオススメします。

トラブルを防ぐためにも、上記のようなガイドラインがあるという知識を持って、契約時に確認することが大切です。

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6.まとめ

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畳に関する退去費用について、解説しました。

基本的には、現在の契約が有効になります。

ただ、国土交通省のガイドラインの存在を知ってもらうことは、納得できない退去費用について、強い味方になるでしょう。

 

まずは請求内容を、国土交通省の「原状回復ガイドライン」と照らし合わせて確認してください。

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