6月29日にフジテレビ系で放送された「実録!金の事件簿」
(http://www.fujitv.co.jp/b_hp/yurusanai/)
その番組内で、家賃滞納のトラブルが取り上げられていました。
私自身も、滞納家賃の回収業務を経験しましたが、本当に辛い業務のひとつです。
でも、そんな家賃回収に頭を悩ませている方は、あなただけではなく、
なんと全国15万戸に1戸、毎月6.6%が滞納しているそうです。(※賃貸住宅市場景況感調査より)
当り前のことですが、大家さんや管理会社からしたら、不動産物件が増えれば増えるほど抱えるリスク。
この記事では、実際の滞納案件と回収業務の実態、そして回収の際に気をつけることをご紹介していきます。
家賃滞納に悩む管理会社の担当者や大家さんの、何かの役に立てれば幸いです。
では、はじめに番組で取り上げられていた「家賃滞納者」の話題からいきましょう!
目次
1.実録!家賃滞納者
1-1.住み続けながら滞納する入居者
家賃滞納は2ヵ月で、滞納しながらも住み続ける入居者。
回収をする側からすると、住んでいることや、訪問した時に対応があるのは、救いですよね。
あとは、面と向かって交渉していくわけですが、この場合は入居者に舐められても、脅しになってもダメ。
とても難しい交渉が必要になってきます。
TVの回収人は強気な口調で話しを進めていきますが、入居者も負けじと強気でした。
そんなやり取りがしばらくありましたが、入居者が滞納してしまった事情を話始めました。
回収人も、口調柔らかにしっかり話を聞いていました。
その結果、月末までに1ヵ月分が無事支払われ、残りの1ヵ月分は分割で支払い続けていると言います。
1-2.新婚夫婦の夜逃げ
実際に部屋に入った時には、家財道具などなくまさに”もぬけの殻”だったそうです。
いわゆる「夜逃げ」です。
新婚のご夫婦が契約していたその部屋に、唯一残っていたのは、2人の思い出の品。
手作りで整理された2人のアルバムや、旦那さんに宛てた奥さんの手紙などがクローゼットの中に残っていました。
回収人も、その部屋で起こったかもしれないことを想像し、心苦しい中、仕事は仕事とし回収業務を進めていました。
その結果、旦那さんの方の居所を突き止め、滞納家賃をほぼ回収できたそうです。
そして、やはりその新婚夫婦は別々の道へ進んでいったようです。
生活に必要不可欠な住まいだからこそ、こういった事情と直面することは決して珍しいことではないですが…
これも、この仕事の辛さですよね。
1-3.家財道具を残したまま夜逃げ
4ヵ月ほど滞納しているという入居者。
インターホンにも反応はなく、電気のメーターが止まっていることから、回収人は警察へ連絡し、立会のもと室内に入ることになりました。
今も住み続けていると思えるくらい家財道具が残っていますが、夜逃げと判断したようです。
連絡先のわかる母親のもとを実際に訪ねましたが、入居者本人の居所は不明で、滞納分は母親が支払うつもりでいるとか…
連帯保証人や緊急連絡先の方が、ご年配だったりするとなんだか申し訳ない気持ちになってしまいます。
2.家賃回収はどう進めるのか?
一般的に多いのが、「月末までに翌月分の家賃を前払い」の契約です。
月が変わったら、1日でも滞納は滞納です。
ただ、家賃の催促をその日にするかは、管理会社や大家さんにより違ってきます。
もちろん、1日に連絡をするのも問題ありませんが、大体1週間以内くらいに、まず最初に電話でというのが多いようです。
そこで、連絡が取れ「うっかり」ということであればいいのですが、出ない・折り返しもないようであれば、少し心構えが必要かもしれません。
まずは留守電にメッセージを残し、次のステップへ進みましょう!
2-1.督促状の発送
次のステップとしては、文書による催促です。
内容は比較的優しい言い回しもので、支払っていなかったことを思い出させる程度の督促状がいいようです。たただ単に支払いを忘れてしまっている場合もあるので、まずはその程度からスタートさせます。
2-2.督促状の再発送
前回発送した督促状から、何の連絡もない場合、また発送する必要があります。
ここ数日電話しても出ないことが続いていますよね。
今回は前回とは違い、少し督促状の内容を強気の文章にて再発送します。
以下のことをしっかり明記します。
- ハッキリと支払期日を指定すること
- 支払期日までに入金の確認が取れなかった場合の対処法を明記すること
など入居者に少々プレッシャーを与えるような内容にします。
そして、いよいよ1ヵ月経過する頃、入居者と連帯保証人の双方に督促状を送付します。
2-3.滞納後2ヵ月経過したら
2ヵ月連絡も取れず、支払いもないようであれば、もう故意に滞納していることは間違いありません。
この後は、滞納家賃の支払いを催促するだけではなく、賃貸借契約の解除を促します。
それでも応じない場合は、法的手段に出るしかありません。
法的手段となった場合に、回収する側が不利にならないよう、次のことに気をつける必要があります。
番組内で実際に放送された内容です。
3.滞納家賃の回収時に気をつけること
税金の滞納を催促するのとは違い、残念なことに、家賃は強制的に取り立てる権限がありません。
強制的に退去させるには、法的な手続きが必要になります。
そして、「今月中に!」「今すぐ!」退去させることはできません。
すぐにでも出ていってほしい、その気持ちはよくわかりますが、
■勝手に部屋に入ると『住居侵入罪』
■荷物や家財を持ち出すと『窃盗罪』
■脅して家賃を払わせると『恐喝罪』
4.注意が必要な入居希望者
- 物件よりも、今すぐ入居できる物件を探している方
- とにかく急いで入居したい方
- 年末年始に部屋探しにくる方
この3つの場合、注意が必要です。
誰かに入居してほしい一心で、選ばず決めてしまうと、後々大変になる場合があるので、入居希望者はしっかりと見極めていきましょう^^
5.まとめ
トラブルが多い家賃滞納。
できれば避けて通りたい業務ではないでしょうか。
でも実際には、15万戸あるうちの1万人の方していることで、同じ悩みを抱えてる大家さん、管理会社はたくさんあるということです。
家賃滞納は15万戸に1万戸、6.6%という調査結果が出ています。
家賃回収の際には、次のことに気をつける必要があります。
■勝手に部屋に入ると『住居侵入罪』
■荷物や家財を持ち出すと『窃盗罪』
■脅して家賃を払わせると『恐喝罪』
理想は家賃の滞納がないことですが、起きてしまった場合は冷静に対応する必要があります。
そのためにも、入居希望者をしっかり見極められる目を持つことが一番ですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました^^